末野 孝典
研究テーマ
- イスラーム神秘主義の思想ネットワーク:知的交流の場としての北・西アフリカ
研究内容
- 北・西アフリカで活躍したイスラーム知識人のアラビア語資料を用いて、当該地域のスーフィズムの思想的な側面を主に研究しています。特に、最近は20世紀における西アフリカの偉大なイスラーム知識人のひとりであるイブラーヒーム・ニヤース(Ibrāhīm Niyās, 1975年歿)に着目しています。彼によって書かれたアラビア語著作や現地語著作の分析を通して、イブラーヒーム・ニヤースが当時の社会状況に合わせてスーフィズムをどのように理解していこうとしていたのかを明らかにしようとしています。
- また、長期の研究目標としては、サハラ沙漠を境界線として区分される北アフリカと西アフリカを二つの異なる地域と見做すのではなく、むしろ両地域の間に通底する諸要素を描き出していくことで、この両地域を「広域マグリブ文化圏」という緩やかなひとつの地域単位として捉え直していくことがあります。
カオラック州のマディーナ・モスク
イブラーヒーム・ニヤースの聖者絵