山﨑 暁

山﨑 暁

研究テーマ

    現代トルコ社会におけるアラブ・アレヴィー

研究内容

    アラウィー派はシーア派イスラームの分派のひとつであり、グラート(極端派)と呼ばれるイスラーム思想史上の伝統に位置づけられる宗派である。現在、同派のコミュニティはシリアを中心にトルコ、レバノンなどに存在する。その教義の特徴は、預言者ムハンマドのいとこアリーの神格化、三位一体論、輪廻転生論などであり、イスラーム世界のマジョリティであるスンナ派やシーア派の主流である12イマーム派とはかなり異なった信仰をもっていることが知られている。この相違のためにアラウィー派の人々は歴史上多数派の人々や為政者から迫害・弾圧をうけてきたとされ、それらから身を守るためにタキーヤ(信仰隠し)の実践が行われてきたと言われている。

    アラウィー派に関するこれまでの研究の多くは、秘教的な性格をもつ同派の教義を、原典史料や派内出身の人物による著作などを通じて明らかにしようとするものや、歴史史料から同派の人々と外部の勢力との関係を分析するもの、シリアのアサド政権と同派との関係を論じるものが中心であった。しかし、同派の教義の秘密主義やマイノリティとしての立場を固定的な実態として扱いすぎることで、派内の多様性や、秘密主義の社会的意義といった問題については近年までほとんど論じられてこなかった。私はこのような問題意識のもと、トルコ南部に存在するアラウィー派コミュニティ(近年アラブ・アレヴィーという呼称が用いられている)についてフィールドワークを中心とした研究をおこなっていきたい。
pagetop