庄司 翼

庄司 翼

研究テーマ

    現代ウズベキスタンにおけるジン信仰

研究内容

     ジンとはイスラームにおける精霊のような存在であり、人間を超える力を持ちうる存在であるという。元来「ジン」という概念はイスラーム以前のアラビア半島で用いられていたアラブ的な概念であった。しかしイスラームにその存在が認められると、イスラームの伝播に伴い広くイスラーム圏全体においてもその存在が認められるようになった。この過程で各地においてイスラーム化以前に崇められていた存在が新たにジンや聖者として捉え直されるという事があったと考えられている。 
     現代のウズベキスタンにあたる領域では、かつてイスラームの学問が栄え、多く学者を生み出した。一方その後は長くソヴィエト体制のもとにあり、近代化と世俗化の圧力に晒されてきた。しかしソ連からの独立後、このような環境にも変化が訪れた。ウズベキスタンでもインターネットを通じた情報の共有などが頻繁に行われるようになり、かつて地域共同体のなかで民衆の祭典という形で守り伝えられてきた民衆イスラームにも、新たな局面が訪れていると言うことが出来る。
     本研究ではこのような現代ウズベキスタンにおける民衆イスラームのうち、特に人々とジンとの関わり方を明らかにしてゆく事を目的としている。


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