河野 泰之 教授

教員プロフィール

河野 泰之 教授

河野 泰之 教授

メールアドレス:kono [a] cseas.kyoto-u.ac.jp
本務先:京都大学東南アジア地域研究研究所
本務先個人ページhttps://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/kono-yasuyuki/
講座:平和共生・生存基盤論講座
※最新情報は京都大学教育研究活動データベースをご覧ください:https://kdb.iimc.kyoto-u.ac.jp/profile_private/ja.4863f32c3fd03116.html

専門分野(ディシプリン)

    東南アジア研究、農学

研究テーマ

    持続型生存基盤研究、土地・水資源管理、生業転換

研究内容

    1. 人類社会の健全で持続的な発展を基盤として支えるのは、人間活動と自然環境の調和ある共存である。人間社会は生態系に介入し自然環境を利用しなければ成り立たないが、そこでは人間社会にとっての効用を追求することと等しく、健全な生態系の維持に配慮しなければならない。東南アジアの生態系は、温帯地域と比較して、活性が高く、それが自然環境の多様なダイナミズムを生んでいる。このダイナミズムは、現在の科学や知識では未だ十分に解明できていないがゆえに、不確実性が大きいと認識せざるを得ない。

 

    すなわち、東南アジアにおける人間活動と自然環境の調和ある共存を追求するということは、一方で、自然環境の利用や管理の現場で、人間による土地利用や水利用の履歴を踏まえて問題を見究め、その対応を考えることであり、もう一方で自然環境を理解し利用するための諸科学を東南アジアの自然環境の多様性とダイナミズムを前提として再構築するということである。具体的には、タイ東北部、ラオス北西部、カンボジア・トンレサップ湖周辺域を対象とした農業・農村の長期動態研究、中国・雲南省の西双版納のゴムとバナナやベトナム北部山地のコーヒーを対象とした商品作物の導入によって引き起こされる生業転換や土地利用変化研究、タイ東部のラヨン県の沿岸域生態系やインドネシア・スマトラ島のリアウ州の泥炭湿地開発を対象とした開発過程における生態系変化研究に取り組んでいる。

所属学会

    International Water Resources Association, Asian Association for Agricultural Engineering, 東南アジア学会、日本熱帯生態学会、日本熱帯農業学会、水文・水資源学会、農業土木学会

主要業績

1. Bouahom, B., Kono, Y. and Nonaka, K. eds. 2007. Thammasat, Manut lae Saphapweadlon (Nature, Humand and Environment), Vientiane: National Agriculture and Forestry Research Institute, 182 p.
2. 秋道智彌(監修)、河野泰之(責任編集).2008.『論集モンスーンアジアの生態史 第1巻 生業の生態史』、東京:弘文堂,227 p.
3. Dao Minh Truong, Kono, Y., Yanagisawa, M., Leisz, S. J. and Kobayashi, S. 2009. “Implications of Forest Policies and Programs on Land Cover Land Use: A Village-level Analysis of Chau Khe,” Southeast Asian Studies 47(3), pp. 244-262.
4. Saphangthong, T. and Kono, Y. 2009. “Continuity and Discontinuity in Land Use Changes: A Case Study in Northern Lao Villages,” Southeast Asian Studies 47(3), pp. 263-286.
5. 杉原薫,川井秀一,河野泰之,田辺明生編.2010.『地球圏・生命圏・人間圏-持続型生存基盤とは何か-』,京都:京都大学学術出版会.
6. Kono, Y., Badenoch, N., Tomita, S., Douangsavanh, L. and Nonaka, K. 2010. “Agency, Opportunity and Risk: Commercialization and the Human-nature Relationships in Laos,” Southeast Asian Studies 47(4), pp. 365-373.
7. 柳澤雅之,河野泰之,甲山治,神崎護.2012.『地球圏・生命圏の潜在力-熱帯地域社会の生存基盤』,京都:京都大学学術出版会.
8. 河野泰之.2012.「人間圏と地球圏・生命圏をつなぐ指標」,佐藤孝宏,和田泰三,杉原薫,峯陽一編,『生存基盤指数-人間開発指数を超えて-』,pp. 47-63,京都:京都大学学術出版会.
9. Le Zhang; Yasuyuki Kono; Shigeo Kobayashi. 2013. “The Process of Expansion in Commercial Banana Cropping in Tropical China: A Case Study at a Dai Village, Mengla County,” Agricultural Systems 124: 32-38.
10. Le Zhang, Yasuyuki Kono, Shigeo Kobayashi, Huabin Hu, Rui Zhou and Yaochen Qin. 2015. “The Expansion of Smallholder Rubber Farming in Xishuangbanna, China: A Case Study of Two Dai Villages,” Land Use Policy 42: 628-634.
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